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ガヴリールドロップアウト

天使と悪魔、それぞれ二人、合計四人が人間界で女子高生として生活している日常を描くコメディです。
各キャラクターの成果付けが実に良いですね。
ここでは分りやすくするために、天使・悪魔それぞれに主・副という区別付けで呼ばせていただきます。
天使・主は本作の真の主人公です。人間界へ来るまでは実に模範的で優秀な天使でしたが、人間界での様々な娯楽の誘惑に負けて以来昔日の面影が全く見られないほどの駄天使(堕天使ではありません)と成り下がっています。
しかも本人は自らの口でそれを名乗っている程ですから。自覚があるだけ立派とも言えるでしょうか。
もう一人の天使・副も天使学校を主人公に次ぐ次席で卒業し、人間界へ来たのですから本来は優秀なのでしょう。
ですが、彼女は実に腹黒い性格で、あれこれと画策して起こる珍騒動を楽しんでいるという、問題人物です。
天界の実家は大豪邸であることからすれば、登場する四人の主人公達の中では、最も恵まれている立場であると言えるでしょう。
性格の悪いヒロインというのは珍しくない設定ですが、彼女の場合は特に抜きん出ていますね。二人の悪魔娘よりある意味「悪魔」的でした。
さて今度は悪魔側の紹介です。本来は主人公とは呼べないかもしれませんが。私にとっては二人とも(特に主の方)好感が持てる娘達でしたのでこう扱わせていただきました。

悪魔・主は本当は天使じゃないかと思えるほどの人物で、天・主からもその点をしばし指摘され、悪魔らしくありたいとその都度自覚はするのですが、効は奏しません。
片や悪魔・副の方は常々目標としている大悪魔を目指した言動をしているのですが一向に実績に繋がらないのは、やはり彼女も良い娘なのでしょう。
現に彼女の大好物のメロンパンを何処からか奪いに現れる野良犬を腹立たしく思いながらも、実際に保健所行きとなると一目散に救い出す(この行動には一波乱がありました)程のお人好しです。
口では使い魔にするんだ、と言っていますがとても悪事を覚えさせることは出来ないでしょうね。

このように両側とも矛盾する要素を含んでいるからこそ、このアニメは面白くなっているのだと気づかされました。
本来は不倶戴天の存在のはずが、時にはつまらないいざこざを起こすことも有るとは言え、基本的に彼女達四人はとても仲が良いです。
この手の作品は話が行き詰まるとやたら新登場の人物に関する展開に走る傾向が多いのですが、第1シーズン(明言されてはいませんが、OVA以外の続編も有ると思いますので)では登場人角数は多くはありませんでした。
特に男性キャラクターで目立ったのは天・主が生活苦(課金ゲームのやり過ぎによる)解消のために始めたアルバイト先の喫茶店のマスターとグラサン(あちらの筋のような外見)と呼ばれる学校の担任教師(天・副だけは違う)、それに天使学校長(眼鏡が無い、某ファストフードの立体看板のような人物で世事に疎い)くらいでしたか。
悪魔側の二人の家庭の両親も登場はしていましたが、主の方は正しく端役に過ぎず、副の一家は上流家庭を装っているケーキ店で、変人的行動だけが目につく程度でした。

まあ、弟くんがとてもしっかりしていることは認めますが。後の学校の生徒は委員長を除くと、数人の女子が台詞を与えられている程度で、男子は背景に過ぎませんでした。これもシリーズ化への伏線の設定なのでしょうか。
この他に敢えて苦言を呈する点があるとすれば、冬の長期休暇を利用してそれぞれが帰省する話の次の回の内容が飛んでいたという点ですね。
通常1クールは13話なのに本作は12話で終了しており、最終回に妹の堕落振りに業を煮やして自らの手で再教育を行うべくして現れる姉天使(超絶的な優秀な天使)との再会シーンでの会話の矛盾天からも、もしかして、の想像に繋がりました。
このアニメを見て私は、もしかしたら人間とは彼らのようには能力を持たない(あるいは失った)同種族なのでは、と考えさせられたりもしました。
そうです。天使と悪魔は実は表裏一体で、人間がそれを支えているのだと。
完全な善も悪もこの世には存在しないのと同じように。要は矛盾そのものが本作の魅力であるとの結論に達しました。
第2シーズンが是非見たいと心から思っています。

あと、重要キャラではないかもしれませんが、後輩の世間ずれした純真な天使と天界での天・主の妹天使の純粋無垢な姿を再び見てみたいですね。
関係諸氏の御英断を願っています。